他のマウスピース矯正が追いつけない!インビザラインのシステム用語について矯正歯科医師が詳しく解説!

マウスピース矯正
歯を削るIPR(アイピーアール)

Interproximal enemal reductionの略で、「歯のエナメル質を削ること」を意味します。歯のガタガタを解消するために隙間を作る方法として考案され、慣習として受け入られ今や矯正治療のルーティンとなっている方法です。
歯は感覚器官で非常に繊細であるため削らないことにこしたことはありませんが、必要な場合には歯の横の面を削ることがあります。具体的には、歯と歯の間にヤスリをかける処置を行い、削除量は約0.1mm〜0.6mmの範囲内で抑えます。

アタッチメント

歯を正確に動かすためのアタッチメント

アタッチメントが歯の表面に装着されると、マウスピースのフィッティングが向上します。
表面がツルツルの歯に凹凸ができ、表面積が大きくなるためマウスピースが歯をつかみやすくなり、正確なコントロールができるようになります。
3mm〜5mmの長方形アタッチメントを使用することが多いです。

アクティブサーフェス

歯に適切な力をかけるためのアタッチメントの面

歯を動かしたい方向に力をかけるためのアタッチメントの1面をアクティブサーフェスと言います。
このアクティブサーフェスにより、歯を右に回転させたり、左に回転させたり、後ろに移動させたり前に移動させたり、歯を引っ張ったり沈めたりなど3次元的な移動を行うことができます。

アライナー

整列の意味を持つアライナー

Alignには、動詞で整列させるという意味があります。Alignにerがついて、アライナーという名詞になります。
アライナーとは、歯を整列させる矯正装置という意味になります。

エラプションポンティック

歯が生えてくるスペースを確保するエラプションポンティック

エラプションポンティックとは、萌出(ほうしゅつ)タブともいい、永久歯が生えてくるスペースを確保し、理想的位置に誘導するために仮想の歯の形をマウスピースに設定したものです。
これから生えてくる歯のスペース確保のためにマウスピースで他の歯を動かしながら、かつ生えてくる永久歯のコントロールまで行うことができる画期的な装置です。
混合歯列期(こんごうしれつき:乳歯と永久歯が混ざっている時期)に設定し、正常な歯並びに誘導します。

顎間(がっかん)ゴム

歯を効率良く動かすための顎間(がっかん)ゴム

顎間(がっかん)ゴムとは、上顎(うああご)と下顎(したあご)の2つの顎にかけるゴムのことです。
この顎間(がっかん)ゴムにより歯の移動による反作用を防止したり、前歯を下げたり、狙った歯の動きを正確にできるようになります。

クリンチェック®︎

クリンチェック®︎で治療計画を作成

アラインテクノロジー社が開発したマウスピース矯正治療のシミュレーションソフトです。歯科医師はこのソフトウェアで治療計画を作成し、患者様と治療計画および治療目標を共有することができます。
また、患者様だけでなくスタッフや担当医以外の歯科医師とも共有ができ、チーム医療を推進することができます。

パッシブアライナー

顎間ゴムによる治療を効果的に行うパッシブアライナー

上下の歯のどちらかを動かさないように設定し、その歯を固定源としてもう一方の顎の歯を効果的に動かすためのマウスピースをパッシブアライナーと言います。
この図では、上顎がパッシブアライナーで、上顎(うわあご)の歯を利用して下顎(したあご)の歯を効果的に動かします。

バイトランプ

深いかみ合わせを改善させるためのバイトランプ

上のマウスピースの前歯部分の裏側についている突起のことをバイトランプといいます。舌で前歯の裏側を触ってみて突起があればその突起のことです。
特に、ガミーフェイスやかみ合わせが深い過蓋咬合の歯並びに対して設定し、上の前歯もしくは下の前歯を骨の中に沈める動きを補助します。バイトランプ機能により、深いかみ合わせの改善がマウスピース矯正でできるようになりました。

パワーリッジ

リンガルルートトルクを補助するパワーリッジ

マウスピースの前歯部分の内面に設定される出っ張りをパワーリッジと言います。このパワーリッジ機能により、前歯の根っこを唇側から舌の方向へ傾ける動きができるようになります。
前歯を移動させるときに、歯が埋まっている骨の中から根っこが出ないように設定します。専門用語ではリンガル(舌側に)ルートトルク(歯根に力をかける)と言います。

プレシジョンカット

矯正用のゴムをかけるためのプレシジョンカット

マウスピースに直接切り込みが入っており、矯正用のゴムをかけるために設定されます。このプレシジョンカットからインプラントアンカーや下顎(したあご)の歯のボタンなどにゴムをかけ、歯の移動を助けます。

プレッシャーポイント

歯の回転を補助するプレッシャーポイント

マウスピースの内面に設定される突起をプレッシャーポイントと言います。歯の表側のアタッチメントと裏側からのプレッシャーポイントによって歯の回転を助けます。

プレシジョンウィング

下顎を前に出すプレシジョンウィング

いわゆる出っ歯と言われる歯並びを上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言いますが、多くの上顎前突(じょうがくぜんとつ)では下顎(したあご)が小さいため、下顎後退症(かがくこうたいしょう)と言います。
この下顎後退症(かがくこうたいしょう)に対し、下顎(したあご)を前方に成長させるためにこのプレシジョンウィングを使用します。マウスピースの横の面に翼(つばさ)がついており、下顎が前に誘導されるようになっています。

ボタンカット

矯正用のゴムをかけるためのボタンカット

マウスピースに設定される円状のカットのことをボタンカットと言います。この部分はマウスピースが歯を覆っていない部分になるため、歯に直接リンガルボタンを装着したりフックを装着すると、矯正用のゴムをかけられるようになります。

ポンティック

歯が倒れてこないように隙間を保つためのポンティック

マウスピースに仮想の歯を設定したものをポンティックと言います。このポンティックがあることで、歯が倒れ込むことを防ぐことができ(保隙:ほげき)、インプラントスペースの確保や入れ歯のスペースの確保ができるようになり、正しいかみ合わせを作ることができるようになります。
このポンティックのおかげで、歯がもともとない方や歯を多数なくされた方でも矯正治療が可能となり、あらゆる症例に対応できるようになりました。素晴らしい技術です。

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