顎偏位(がくへんい)

歯並びの種類

顎偏位(がくへんい)とは?

顎偏位(がくへんい)とは、下顎(かがく、したあご)の位置が正常な位置から左右どちらかにずれている状態をさします。顎偏位症(がくへんいしょう)や顎位偏位(がくいへんい)、顎位異常症(がくいいじょうしょう)などと呼ぶこともあります。
顎偏位(がくへんい)は、かみ合わせのみならず筋肉のバランスがずれることによって交感神経が優位になり、肩が凝ったり、めまいがしたり、手足が痺れたりなど全身に症状が出ることがあります。
また、お顔の正中(せいちゅう)とのバランス、筋肉とのバランス、かみ合わせのバランス、顎の関節の位置関係も考えて治療を行う必要があるため、非常に難易度が高い治療となります。スプリント療法といってマウスピースタイプのもので顎の位置を補正してから矯正治療を行うことがあります。

顎偏位の例

顎偏位(がくへんい)の原因

下顎(かがく、したあご)は、頭蓋骨(とうがいこつ)に対して宙ぶらりんの状態でぶら下がっています。このため、ある程度の許容範囲があることで、あらゆる顎の運動ができ、食べ物を噛んだり、すりつぶしたり、飲み込みをしたり、しゃべることができたり、笑えたり、変顔ができたりします。

では、この下顎の位置はどうやって決まるのでしょうか?下顎の位置は、顎の関節・下顎についている筋肉や靭帯・上下のかみ合わせの3つの要因が許容範囲の中でバランスを保って位置を決定していると言われています。しかしながら、不正なかみ合わせ(不正咬合:ふせいこうごう)によって顎の位置がずれることがあります。多くは、前歯の早期接触(そうきせっしょく)やかむ時の歯と歯の干渉で顎がずれます。この歯と歯の接触や干渉が顎のずれの原因と考えられています。

では、どうして歯と歯の接触や干渉が起こるのでしょうか?大元の原因は、かみ合わせの乱れ、歯の欠損などによる歯の位置異常、顎の左右非対称性の発育、不適切な詰め物や被せ物など様々考えられるため、顎機能検査などを併用し、原因を特定する必要があります

顎偏位(がくへんい)の症状と問題点

上下の歯が噛み合う位置が、安定した顎の位置とは限らないため、正確な診断が難しい

食べ物を噛むと顎がずれるなど違和感を感じることがあります

食いしばりや歯ぎしりを併発したり、それによって歯が欠けたり、知覚過敏になることがあります

・口の開け閉めすると耳のあたりから雑音が聞こえたり、顎が重くて口が開けにくかったり、痛くて開けられないなど顎関節症の症状を伴うことがあります

偏頭痛や肩こり、めまい、耳鳴りなどの症状が慢性化して続くことがあります

・症状がひどくなると、肩こりだけでなく、筋肉の痛みや背中や腰の痛みまで感じたり、手足がしびれることもあります

まとめ

顎偏位(がくへんい)は、下顎(かがく、したあご)の位置が正常な位置から左右どちらかにずれている状態で、かみ合わせによる慢性的な肩こりのみならず、自律神経失調症や全身倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、集中力欠如など様々な全身症状を伴うことがあります。

下顎の位置を補正するスプリント治療を行い、矯正治療を行うとかみ合わせが良くなり食事が楽しくなった肩こりがなくなって仕事のパフォーマンスが上がった笑顔に自信が持てるようになった四十肩で肩が上がらなかったが上がるようになったなどの喜びの声の他、不眠症、生理痛、頭痛、肩こり、しびれ、全身のだるさがなくなったなど全身の症状も改善することがあります。原因については、まだまだ不明点が多いですが、顎ずれを治療すると体全体に良い影響を及ぼすことが数多くの患者様より報告されています。

肩こりや筋痛、全身倦怠感、めまいなどの症状は医科の方へ通院されることが多いかと思いますが、顎やかみ合わせが原因で全身に症状が出ていることも考えられます。顎ずれを感じている方は、一度歯科医院に相談に行ってみることをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました