開咬(かいこう)、オープンバイト(Open Bite)

歯並びの種類

開咬(かいこう)とは?

上下の歯に隙間が開いている状態開咬(かいこう)または、オープンバイト(Open Bite)と言います。
「サ行」「タ行」の音が漏れるため発音障害があったり、前歯で食べ物が噛み切れないためホットドックが食べられなかったり、ラーメンやお蕎麦も舌を使って噛み切るなど咀嚼(そしゃく)にも問題がある歯並びです。

特に注意しなければならないのが、奥歯でしか噛めないという状態です。この開咬という不正咬合(ふせいこうごう)は、奥歯に負担がかかりすぎるため、奥歯の寿命が短くなりやすいです。また、奥歯がなくなった後にインプラントや入れ歯にしてもかみ合わせの平面(咬合平面:こうごうへいめん)のコントロールができていないと、治療が複雑になったり、後戻りしてしまう不正咬合です。

日本人では、およそ10%ぐらいの割合で見かける歯並びで、奥歯だけ当たって前歯が少し開いた状態も含めると50%〜60%ぐらいいるとも言われている歯並びの状態です。開咬の中でも何種類かありますが、やや受け口ぎみの開咬が一番多いです。

開咬(かいこう)の原因

開咬の原因は、奥歯の垂れ下がりです。下顎の成長が止まってから上の奥歯が垂れ下がってくると、前歯が閉じなくなり開咬になります

下の図をご覧いただくとよくご理解いただけるかと思いますが、上の奥歯が垂れ下がってくる(赤色矢印)と奥歯でしかあたらなくなり、前方回転して適応すると受け口になりますが、前方回転が困難で後方回転によって噛み合わせが安定し、適応すると開咬となります

開咬が引き起こされるメカニズム

上記のメカニズムだけでなく、指しゃぶりや舌を出す癖、口呼吸などが原因で開咬になるケースもあり、これらの複数が絡み合った原因の開咬もあります。

開咬(かいこう)の症状と問題点

奥歯に過剰な負担がかかりやすく、奥歯の寿命が短くなりやすい

・大臼歯部しか噛んでいないため、正常な人と比べると噛み砕ける歯の面積が小さく、咀嚼能率(そしゃくのうりつ)や粉砕能率(ふんさいのうりつ)が悪くなり、胃や腸などの消化器官に負担がかかり続ける

前歯で食べ物が噛みきれないため、ホットドックやうどん、お蕎麦などが食べられない

「サ行」「タ行」の音が漏れる発音障害があるため、聞き取りづらく話の説得力が欠けてしまう

・口呼吸を伴っているとお口の中が乾燥し、虫歯や歯周病になりやすく、口臭もひどくなる

・口呼吸がメインになると、空気感染するウイルス性の疾患に罹患しやすくなり、体が弱くなってしまう

・咬合平面(こうごうへいめん)の治療がされないと、後戻りしやすく、小臼歯を抜いても外科矯正を行っても後戻りすることがある

まとめ

開咬は比較的多い歯並びで、やや受け口ぎみの開咬が一番多いです。奥歯に負担がかかり過ぎるため奥歯の寿命が短くなりやすく、奥歯しか噛んでいない状態のままであると将来奥歯の治療が必要になったときに複雑になるためできるだけ早期に治療をされた方が良い歯並びです。

また、発音障害や口呼吸、前歯でかみきれない咀嚼障害など多くの機能障害を伴っているため、矯正治療により理想的な歯並びになるとこれらの機能障害が改善されます。さらに見た目も良くなると人生が本当に明るくなりますので、お早めに矯正相談に行かれると良いです

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