賢い大人は知っている虫歯にならないためのシーラントとは?

予防歯科

シーラントとは?

歯を削らない痛みのないう蝕(むし歯)予防法の1つで、主に生えたての奥歯の溝の部分をプラスチックで埋めることで、むし歯を予防する方法のことです。

永久歯に生え変わるときに一番最初に生えてくるのは6歳臼歯(第1大臼歯)です。この歯は食事のときに一番よく使われるのですが、歯の溝が深く歯ブラシでのお手入れが甘いときがあると、むし歯になりやすく失いやすい歯でもあります。この6歳臼歯がむし歯にならないようにフッ素を配合したプラスチックであらかじめ溝を埋めることで、磨き残しをしないように勘案されたのが、このシーラントです

フッ素洗口と歯科医院での定期検診とを組み合わせ実施することにより、う蝕をほぼゼロにすることも可能といわれているう蝕予防法で、エビデンスに裏付けされたう蝕予防法として広がっている治療法です。

シーラントはどの歯に行うの?

シーラントは主にむし歯になりやすい生えたての歯に行います。もちろん、生えたてでない歯に行ってもむし歯予防効果がありますが、その場合には保険適用外となってしまうこともあります。

シーラントは、生えたての乳歯の奥歯(カリエスリスクが高い場合)大臼歯(特に第一大臼歯)上あごの2番目の歯(側切歯)の裏側など溝が多い部分にシーラントの薬剤で埋めていきます。むし歯がすでにある歯はむし歯を悪化させるリスクがあるため対象外となります。

シーラントは何歳からできるの?

シーラントは3歳〜14歳ぐらいの間で行ないます。個人差もありますが、乳歯の奥歯が生えてくる時期が2歳半〜3歳頃6歳臼歯(第一大臼歯)の永久歯が生えてくる時期が6〜7歳頃12歳臼歯が生えてくる12歳頃ですので、これらの歯が生えてきたら歯医者さんに行ってシーラントをしてもらうのが一番効果的です。もちろん、成人の方でご希望の場合には治療が可能ですので、むし歯を作りたくない方は一度歯医者さんに尋ねてみると良いです。

シーラントは保険適用されるの?

乳歯や生えたての永久歯(幼若永久歯:ようじゃくえいきゅうし)の場合には保険適用されます。1本あたり500円程度で治療を受けられます。中学生まで自己負担がかからない地域もありますので、お気軽に相談に行かれると良いです。

成人の方の場合は、保険適用外になりますので1本あたり1,000円から3,000円程度となっています。

シーラントは一生持つもの?

シーラントは一生持つものではありません。日々の食事などの物理的刺激やかみ合わせの変化によってシーラントは外れることがあります。シーラントが外れても目には見えにくい少量のシーラントは残っているためう蝕予防効果があるという論文もありますが、外れたところには食べカスがたまりやすく、むし歯のリスクを高める可能性もありますので、定期的な歯科検診が重要です。

シーラントは歯を傷つけることがないため、外れても再度シーラントをしてもらえば全く問題はありません。むし歯になって歯医者さんに行くのではなく、シーラントが外れて歯医者さんに行く、自分の歯は自分で守る、そのような欧米やスウェーデン式の歯科医院との関わり方をオススメします。

シーラントの手順って?歯医者嫌いの子どもでも大丈夫?

シーラント治療にかかる時間は1本の歯につき1〜3分程度で、麻酔もなく痛みもなく治療が可能ですので、歯医者嫌いの子どもでも治療が可能です。以下の手順で行います。

Step❶ 

 歯の表面の清掃

Step❷ 

 歯の表面の処理

Step❸ 

 水洗いと乾燥

Step❹ 

 シーラントで溝を埋める

Step❺

 光でシーラントを固める

シーラントをすればむし歯はもう心配しなくて良い?

そんなことはありません。油断は禁物です。シーラントは、フッ化物洗口と定期検診を併用すればむし歯がゼロになると言われるほど素晴らしい治療法です。しかしながら、あくまでむし歯になりやすい場所の1つである溝(咬合面:こうごうめん)を埋める処置になります。むし歯になりやすい場所は他にも、歯と歯の間(隣接面:りんせつめん)や歯と歯ぐきの間(歯茎部:しけいぶ)があります。ですので、シーラントをした後もしっかりと歯磨きを行い、フロスや歯間ブラシの使用をお勧めします。

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